「歯が抜けてしまう怖い病気・歯周病」

CMや広告で一度は見たことがあると思います。

しかし、「歯周病の原因は何?」「虫歯予防しておけば大丈夫なんじゃないの?」
など一体何者なのか、そして予防方法を知らない方が多いのではないでしょうか?

本日は「歯周病ってなんじゃらほい!」というタイトル通り、わかりやすくご説明したいと思います。

 

歯周病は、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。

歯と歯肉の境目(歯肉溝)の清掃が行き届かないでいると、そこに多くの細菌が停滞し(歯垢の蓄積)
歯肉の辺縁が「炎症」を帯びて赤くなったり、腫れたりします。
そして、進行すると歯周ポケットと呼ばれる歯と歯肉の境目が深くなり、
歯を支える土台(歯槽骨)が溶けて歯が動くようになり、最後は抜歯をしなければいけなりません。

つまり・・・
磨きそびれて残った細菌達が歯と歯茎の間に侵入して、歯茎の骨を溶かす
ということです!

 

そして、「歯周病」と一言で言っても歯が抜けるまでには長い過程があります。

まず「歯肉炎」です。

特徴としては、赤色の歯肉、歯と歯の間の歯肉が丸みを帯び膨らんでいる、ブラッシングで出血する、
腫れた歯と歯肉との間に歯垢が溜まり悪化する、などの状態を言います。
痛みがほとんどの場合ないのも恐ろしい点です。

その歯肉炎が悪化した状態を「歯周炎」と言います。

特徴としては、赤紫色の歯肉、歯と接している歯肉が更に腫れる、ブラッシングで出血や膿がでる、
歯と歯の間が広がり食べ物がよく詰まる、歯肉が退縮して歯が長く見える、
歯周ポケットが深くなり歯茎の中の骨(歯槽骨)が溶ける、などです。

 

最悪な状態になると抜歯しなければなりませんが、現在では歯周病は予防でき治療も可能です。
大切なのは予防、診断、治療、そしてメンテナンスです。

 

以前は「不治の病」とさえ言われていた歯周病も、
現在では進行を阻止することが可能となり、健康をとりもどすことができるのです。
まず、歯周病の原因は歯垢ですから、それをためない、増やさないことが基本です。

 

そのためには・・・

1. 正しい歯ブラシの方法で毎日歯磨きを実行すること。
2. 歯肉の中まで入っている歯石は歯科に行き、炎症を引き起こす細菌を徹底的に除去すること。
3. 歯肉や骨が痛んでいる場合は、専門医に相談、治療して健康に近い歯肉にすること。
4. 健康の保持のため歯科衛生士によるクリーニングなどのメインテナンスを定期的に受けること。

 

歯周病の恐ろしい点は、初期・中期には痛みをあまり感じることがなく症状がどんどん進むことです。
痛みや腫れの症状が出てくるのは末期になってからで、それまではほとんど自覚症状ありません。
これがこの病気の最大の特徴で、また一番恐いところです。

 

毎日できる限り丁寧に歯を磨くことも大切ですが、自分で磨き歯垢除去を行うには限界があります。
「痛みを感じてから」歯医者さんに行くのではなく、定期的にメンテナンスに行くようにしましょう!

 

参考ホームページ「日本臨床歯周病学会」http://www.jacp.net/jacp_web/general/about.html