今回は口臭について調べてみました。
何らかの体の不調が口臭に現れてくるようで、その原因物質には低級脂肪酸、揮発性窒素化合物、揮発性硫黄化合物があります。すべてガス化する化合物です。具体的な化合物は次のようなものがあります。

・口臭の原因物質

<低級脂肪酸>

脂質系の臭いは、ほとんど皮膚や汗から発生。
低級脂肪酸 特定悪臭22物質の中で平成元年に指定されたプロピオン酸、n-酪酸、n-吉草酸、イソ吉草酸、をいう。⇒汗の臭い

<揮発性窒素化合物>

アンモニア(腎疾患由来、し尿臭)、トリメチルアミン(トリメチルアミン尿症由来)⇒魚臭

<揮発性硫黄化合物>

特定悪臭22物質のなかにも含まれている硫化水素(H2S、腐った卵臭)とジメチルスルフィド((CH3)2S、磯の香り)やメチルメルカプタン(CH3SH、腐った玉ねぎ臭)

 

・におい物質の嗅覚閾値

口臭の原因となる臭い物質は、その存在の有無よりも、閾値を越えるにおい物質の量が問題となり、特に揮発性硫黄化合物(VSC、Volatile sulfur compounds)は低濃度でも臭いを感じることができるため、口臭の原因となります。

<におい物質の嗅覚閾値:人間の嗅覚を刺激する限界の濃度は>

硫化水素:0.00041ppm
メチルメルカプタン:0.000070ppm
ジメチルスルフィド:0.002ppm
アンモニア:1.5ppm
エタノール:0.52ppm
アセトン:42ppm

口臭の原因となる臭い物質は、その存在の有無よりも、閾値を越えるにおい物質の量が問題となり、特に揮発性硫黄化合物(VSC、Volatile sulfur compounds)は低濃度でも臭いを感じることができるため、口臭となります。

・歯周病と口臭の関係は

では、口腔内でどのように口臭が作られているのでしょうか。
口臭の原因物質の揮発性硫黄化合物(VSC)は口腔内の細菌が体細胞の残骸や食物などに含まれるアミノ酸(システイン、メチオニン)を基質として産生する代謝産物です。VSCを産生する細菌は歯周病原因菌として知られているFusobacterium periodonticum,Porphyromonas gingivalis,Prevotella intermediaなど20 種類以上に存在します。VSCの口腔内での発生部位は舌背後方部に堆積した舌苔が最も多く,全VSC の実に60%が舌背から発生していることが明らかにされています。
口臭の原因物質の大半は歯周病菌が産生するVSCと考えられています。

要は、細菌が歯周組織を破壊する過程で口臭が発生しているわけです。

<口臭の測定>

前置きが長くなりましたが、いよいよ本題です。
口臭に含まれるガスすなわち3大VSC(硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルスルフィド)を分析することで、口腔内環境(プラークコントロ-ルの状態)の簡易な指標を与えられると考えられています。

<口臭測定器>

口臭測定器オーラルクロマは口腔内で発生したガス、歯周病に関連する3大VSC(硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルスルフィド)を分析することができます。

縄文人のルーツ

 

<口臭測定の臨床的意義>

引用です。

「歯周病原性菌がVSC を産生することはすでに述べた。口腔内VSC は歯周病の重篤度とともにその濃度が増すことが明らかにされている。生理的口臭症患者の口腔内VSC 濃度は通常,硫化水素>メチルメルカプタンの順に大きいが,歯周病患者の場合メチルメルカプタンの濃度が高くなることがしばしば見られる.CH3SH/H2S 比が高いことは歯周病口臭の特徴である。さらに、メチルメルカプタンは硫化水素に比べて不快度が高い。したがって、歯周病患者に強烈な口臭を感じることが多いのはこのためである。一方、VSC はそれ自体が生体組織に対する毒性を持つ。とりわけメチルメルカプタンは強力な毒性を持ち、その毒性は青酸ガスに匹敵するとも、それ以上とも言われている。in vitro(生体の一部を実験容器に取り出した状態)でも、非角化粘膜の透過性の亢進、上皮細胞の増殖や成長の抑制、線維芽細胞におけるDNA 合成、タンパク合成,コラーゲン合成の阻害などの毒性が報告されている。したがって、VSC は歯周病活動期において、歯周組織の破壊にかかわっていると考えられる。つまり、口臭は歯周病の重要な臨床症状の一つであると同時に、歯周組織を破壊し、歯周病を増悪させる要因の一つであるという病的意義も持っているのである。」
(におい・かおり環境学会誌 36巻5 号 平成17年、歯科外来における口臭測定、山賀 孝之,宮崎 秀夫 著より)

 

・口臭から気づくオーラルケア

「口臭から気づくオーラルケア」、ということでチェックシートを掲載します。
歯周病の自覚症状をチェックしてみましょう。

 

<歯周病チェックシート>

自分のお口の状態をチェックしてみましょう。

□ 歯ぐきの色が赤い(歯肉炎)
□ 歯と歯の間にすき間ができている(歯周炎)
□ 歯磨きの最中に出血しやすい(歯肉炎)
□ 歯ぐきから膿がでる(歯周炎)
□ 冷たいものが歯にしみる(歯周炎)
□ 不規則な生活を送っている(歯肉炎)・(歯周炎)
□ 起床時に口のなかがネバネバする(歯肉炎)
□ 口臭がある(歯肉炎)・(歯周炎)
□ 歯ぐきが腫れることがある(歯肉炎)
□ 歯がグラグラする(歯周炎)
□ 歯ぐきが下がって歯が長くなってきた気がする(歯周炎)

<見方>:
すべての項目が☑されていない場合は、あなたの歯とお口は健康な状態です。
(歯肉炎)の項目が1~2項目まで☑されている場合は、歯肉炎の疑いがあります。
(歯肉炎)の項目が3項目以上☑されている場合は、歯周炎の疑があります。
(歯周炎)の項目が☑されている場合は、歯周炎の疑があります。